症例名:症例1 亜鉛補充療法を開始し、約2ヶ月で治癒した症例①

日付:2016年10月14日

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2004.06.21.

下痢が続き亜鉛欠乏でないかと血清亜鉛値の検査で血清Zn値 59μg/dl.。

亜鉛補充療法をするも、受診を中断。

 

 

2004.12.07.

在宅療養中、食欲減退ありと言う。

 

 

2005.02.09.

臀部褥瘡発症。血清Zn値 77μg/dl. で亜鉛補充療法開始。軽快するが、受診中止。在宅療養。

 

 

2005.04.11.

ショートステイ時。左踵部と臀部と仙骨部の褥瘡認められ、受診時の写真。

同日、プロマック投与。局所イソ ジンシュガーのみで治療。

 

 

2005.04.19.→2005.05.09.写真。

血清Zn値 78μg/dl。Al-p値321。Alb値3.5。

 

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2005.05.09.

デブリードメンを行う。術後の写真。

→ 2005.05.23.→2005.05.30.の写真で、同日、 ショートステイ退所。プロマックは投与継続し

→ 6月 中旬(治療開始二ヶ月余)に治癒という(家族)。

 

 

2005.09.07.

ショートステイ時の写真、左踵部の褥瘡もすっかり治癒。

血清Zn値 111μg/dl。Al-p値317。Alb値3.7。

 

 

本当に良かった。駄目かと思っていた。』と患者さん。食欲良好で、元気!!

介護の仕方は在宅で褥瘡発症時と全く変わらず。変わったのは、ただプロマック1.0gr投与続けたのみ。

 

 

2006.01.25.

その後の褥瘡の発症なく、プロマック投与中止。

 

 

2006.11.15.

ショートステイ時の写真。血清Zn値 65。Al-p値265。予防投与開始。

 

 

“百聞は一見に如かず”。

 

 

コメント:

本症例は1910年生まれの女性。

在宅療養で、時々ショートステイを利用している方である。

2004.06.から下痢や褥瘡の発症で亜鉛欠乏として、補充療法をされてきたが、下痢も初期の褥瘡も簡単に治癒したためか、治療をすぐ中断していた方である。

2005.04.11.ショートステイ時に、左踵部には写真のごとく進行した褥瘡、腰部、仙骨部には初期の褥瘡が認められ、入所時より、早速、亜鉛補充療法を開始した。写真で見るごとくの治癒経過である。

 

05月末に在宅療養に戻り、06月中旬に治癒したが、亜鉛補充療法を2006.01.25.まで続けた。

2006.11.15. ショートステイ時、写真のごとくで、褥瘡なく、食欲も良好で、お元気であるが、

血清亜鉛値65と低下していた。褥瘡の予防のため再投与を開始した。Zn値 Alb値 Al-p値は上記の通りである。

 

この方は薬剤はプロマックのみで、介護条件はこの間、褥瘡発症時と何ら変わりはないこと付記しておきたい。

 

なお、血清亜鉛値とAl-p値の変動に注意!!されたい。

 

 

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