返信先: 【論理的亜鉛補充療法の実践欄(症例を中心に)】

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#12680
倉澤隆平 多剤服用症例の舌痛症

【T.Kさん 79歳 女性】 【初診】2021.09.06.
【基本症病名】 舌痛症、他高脂血症、高血圧、骨粗鬆症等々、緑内障
【既往歴】高脂血症、高血圧、骨粗鬆症、逆流性食道炎、脊椎狭窄症等々
上記疾病等で、某医療センター、某院、医院等々で投薬を受けていた。
6年余前にピリピリする舌痛、口腔内違和感で、漢方薬、塗り薬、うがい薬2~3ケ月治療。
【医療・薬剤関係】リピトール、アムロジン、ラロキシフェン、ネキシチウム、モサプリド、アルプラゾラム、リリカ等など
【主訴・現病歴】
2021/03 頃から、舌痛と口唇ががピリピリする感じ。舌尖、舌の両側の痛み、義歯によるかと某医療センター口腔外科受診、「何でもない。気にするな」と言われる。
舌痛は何かやっている時は忘れている。時間による痛さの変化なし。舌。口腔内に所見なし。
【食事関係】食欲あり、まあまあおいしい。皮膚掻痒、皮疹なし。
【治療経過】
 2021/09/06 多剤服用患者。舌痛の発症と医療の経過、舌痛の性状及び局所所見等などより、多剤服用によるいわゆる舌痛症である可能性が高い。Znを含む、血算・生化学検査用の採血。遠方よりの受診でもあり、初日からプロマックD75 2T分2による標準的亜鉛補充療法を開始。
09/15 亜鉛補充療法の副作用なし。舌尖の痛み軽くなった感じ。夜間起きた時の舌の感じ楽になった。初診時<Zn:84> 血算・生化学は何れも基準値内。
 多剤服用のまま、亜鉛補充療法の効果はある。ただ、不要薬剤は出来る限り減を!!
10/06 プロマック服用から夜間に上腹部痛あり、服用中止。<Zn:72>
   10/07胃の検査後から治療を再開したいと言う。
10/11 その後腹痛なく、09/15よりも舌尖、右側の舌痛は、5/10程度とだいぶ楽になった。 
11/17 舌両側の痛みなく、舌尖には残る。3/10レベルになる。<Zn:88>
12/15 舌痛は舌尖のみに、2/10程度に。昼間は楽で忘れる時多くなる。<Zn:107> 骨粗鬆症の薬、リリカもやめた。
22/01/19 舌の痛みはまだ舌尖だけにあるが、12月より少し良くなった。 <Zn:136>     
03/30 舌痛は忘れて、現在困らない。不用な薬出来るだけ整理してもらって、<Zn:98>
05/25 困ったことなし。服薬:アルトバスタチン、エゼチミブ、アムロジン、ネキシチウム、アルプラゾラム、
葛根湯、眼科点眼薬。多剤服用患者であるが、プロマック2T投与で舌痛は治まってる。
維持量として、どこまでか、検討する。プロマックD75 2T=>1Tにして追跡。<Zn:103>
 07/27 舌は大丈夫、舌尖偶に。口周りがピリピリがあり。朝起きた時に気になる。
 味覚、食欲、皮膚共に困ったことなし。 <Zn:82>
09/21 舌尖の痛みありと。PPI暫く飲まないでいる。<Zn:85>
プロマックD751Tで維持は不足の様である。
11/16 舌尖と舌の両側中央よりに徐々に出て来た。痛みがするなアー程度だが、睡眠、食事中、運動中は忘れているが、毎日痛みを感ずる。
PPIは常用であること止めていると言う。<Zn:87> やはり、プロマック1Tでは維持しきれない様である。 プロマックD75 1T=>2Tにする。
23/01/11 プロマックが 2Tになってだいぶ違う。舌の真ん中あたりの痛み残っているが、軽くなった。
【コメント】
医療センター、病院、診療所等、多医療機関受診の多剤服用患者の舌痛症。幸い、標準の亜鉛補充療法で舌痛症は比較的容易にコントロールされ、血清亜鉛値の変動もあるが、血清亜鉛値は比較的高めであり、プロマックD751T(Zn量 17mg)では維持できず。
多医療機関受診が主医療機関に統一され、主治医と患者の関係良好なので、全身状態は主医療機関で、さらに可能な薬剤の整理を含めコントロール。舌痛症について、もう暫く追跡
【血清亜鉛値の変動】
Zn:84(初診)=>77=>88=>107=>136=>98=.103(05/25). P2T=>1T=>82(07/27)=>85(09/21)=>87(11/16)(P:1T=>2T)=>**(23/01/11=>